十数年前春霞の山廃本醸造の生原酒が素晴らしく良くて蔵に頼んでPBとして少し分けて頂いていた。3年程続いたが1998年のバージョンでいきなり酒質が変わった。ひょっとすると私の感性の変化かも知れないのですが。とにかく「こりゃ売れないぜ」って事で一部は冷蔵庫へ(何せ生酒だもの)、一部は倉庫の棚で常温放置した。原酒で20度近くあるから焼酎クラスだ行けるかも実験だ。でもって2009年4月9日正体をみた。常温熟成は立派な大古酒といえる。いっぽう0度で10年は新酒生酒の風情を残し何とも妖しい存在である。酒屋やって20年になるが嬉し恥ずかしの初体験(うん?今時通用しないか)。初めてであるから言葉が出ない。枯淡の味わいではない。淡に近いが枯どころか艶っぽい。淡に近いと書いたが味はしっかりある。ただ喉越しが淡い。本当は常温と冷蔵と並行して比較すると面白い。水で割ってハーフ&はーふを燗付けなんてサイコーォ。