通称赤ラベル。杜氏が栽培したタカネ錦59%の山廃純米原酒です。この酒は秋田と縁があるのです。そもそも10年程前、秋田大学を出たある日本酒基地外(失礼フリークね)が働いてためた二百万を持って「この金で好きに酒造ってくれ」とやった。意気に感じた杜氏が「僕が造った米で好きにやらせて貰う」と丹波但馬流の奥義を究めたのです。さすがに強すぎて新酒は口に含む事も無理。一年後まだだめ、二年後もペケ、やっとのこと3年目に呑めた。究極の伝統的日本酒ですね。精米が高い事以外は江戸時代の酒そのもの。割水の燗、お湯割り、燗冷ましの燗、と酒をもんで飲むと旨い。秋の夜独り静かに落ち葉の音を感じながら、来し方行く末を哲学する大人の酒です。