元になった酒は由利正宗の17BY 出品用純米大吟醸です。私の地酒屋としての経験ですが、山田錦を高精白してなおかつ純米の場合、本来の味となるには冷蔵で五年氷温ではそれ以上の熟成が必要と感じます。さらに加えてお酒本体の発酵がしっかりしている場合はそんなに低温でなくても老ねる事無く熟成方向にに向うと感じます。そこで、かの名杜氏、高橋藤一の酒を弊店の倉庫において常温による熟成を試みました。フレッシュフルーティというタイプの吟醸ではありません。山水画の如く枯淡の味わいの中に虹が見えるとでも言いましょうか。